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【レビュー】大都会で複雑に絡み合う運命の糸。『428~封鎖された渋谷で~』(Wii、PS3、PSP、Android)

幾重にも張り巡らされた「人間模様」と「思惑」

『428~封鎖された渋谷で~』は、サウンドノベルというジャンルのアドベンチャーゲーム

小説のように読み進めることで物語が進行していき、ときに選択を迫られることもあります。

選んだ選択肢によって、また新たな物語が展開していく……という、いわば「自らがストーリーを紡いでいく」ゲームですね。

 

年齢も置かれた環境も違う人たちが『渋谷』という都会のど真ん中で繰り広げる、さまざまな人間模様。

 それが幾重にも絡み合い、やがてひとつの”結末”に向かっていく……

まさにサウンドノベルの王道といえるストーリー展開です。

 

魅力的な主人公たち

この作品に登場する主人公は、ひとりではありません。

正義感にあふれた若い刑事、どうしてもお金が必要な着ぐるみのアルバイト君、寡黙な製薬会社研究所の所長、地元渋谷の寂れた電気店の息子、どこまでも強気なフリーライター……それぞれが一癖ある人たち。

それを役者さんが(静止画で)熱演しているのですが、読み進めていくうちに不思議と主人公たちに親近感を覚えてしまう方も多いのではないでしょうか。 

そのあたりはシナリオの北島行徳氏の筆致、ディレクターのイシイジロウ氏の演出が素晴らしい証拠といえるでしょう。

 

とにかく登場人物が生き生きと、それでいて魅力的に描かれています。

 フリーライターの御法川実(みのりかわ・みのる)など、馬鹿がつくほど真面目で仕事のできる自信家。しかしそれを全部態度に出しちゃうからタチが悪い。(笑)

「そこでそれ言っちゃうかな~」などと呆れるんだけども、次のシーンでは後輩のためにひと肌脱いでやったりしている。

なんだか憎めないんだなよあ。

 

ついつい時間を忘れてプレイ

チュンソフト(現・スパイクチュンソフト)のサウンドノベルシリーズにハズレなし、と以前から言われてきましたが、この『428~封鎖された渋谷で~』はまさにその言葉を体現していると言っていいでしょう。

ハイクオリティなシナリオに高品質な音楽、そして最適な演出。

どれをとっても一級品といえます。

 

そして、見逃してはならないのがシステムまわり。

ただ複数の主人公がわいのわいのするだけではなく、きちんと「時間」の概念が導入されており、その「時間」が重要な役目を果たします。

 

たとえば、着ぐるみのアルバイト君が○○の試供品を渡す相手をAさんからBさんに変えることによって、本来であれば○○の即売会に行くはずだった御法川は行けなくなってしまう……というように、他の主人公の行動が制限されることが多々あります。

それらを視覚的にわかりやすくするために「タイムチャート」が用意されていたり、また途中で他の主人公の物語に「ジャンプ」することも可能。

 プレイの手助けになること請け合いです。

 

この作品があまりにも気に入りすぎて、Wii版持ってるのにAndroid版も購入してしまった。(笑)

 何度やっても新しい発見があるので、ついつい時間を忘れてプレイしてしまうんですよねえ。

 

余談ですが。

 

大沢ひとみ役の今野成美さん、惚れてまうやろ~。

 

 

『428~封鎖された渋谷で~』:9点(10点満点)

 ★

 

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