【レビュー】運命を決めるのは、想像力とダイスの目!『ソード・ワールド2.0』(テーブルトークRPG)
和製TRPGの草分け
本作は、最も普及した国産TRPGと言われる名作中の名作。
初代『ソード・ワールド』から20年近く経った今も、TRPG界のトップランナーとして広く認知されています。
スーパーファミコンのソフトも出ていたっけ。
さて、先ほどから登場している”TRPG”ってな言葉。
一応、説明しときますと。
”TRPG”とは”テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム”の略。
近年主流になっている画面に向かって楽しむゲームとは違い、テーブルを囲んでみんなでわいのわいの言いながら盛り上がる、昔ながらのフェイストゥフェイスなゲームですな。
確かに、ボードゲームなんかも「ぱっと見」は似ています。
でも、TRPGが他のボードゲームと圧倒的に違うところがひとつ。
それは、「ゲームフィールドは頭の中」ってコト。
想像力が冒険心を掻き立てる
TRPGでは、必ずゲームマスター(GM)が一人いて、お話(シナリオ)を進行させます。
まあ、ストーリーテラーのようなものですな。
他のメンバーは、GMの話の進行に合わせて自らの分身(プレイヤーキャラクター=PC)を行動させていきます。
時には交渉でトラブルを回避し、時には力づくで野党を退治しなければならないこともあるでしょう。
それらの処理や行動の結果を、GMはシナリオに忠実に、時には脱線させてPCを窮地に陥らせたりします。(いじわる?)
GMの働きとひらめき次第でプレイは千変万化の展開を迎えることになります。
つまり、TRPGとは、
「GMとPCが共同作業で作り上げていく、想像力の物語」
だといえます。
秋田みやびさんのリプレイにハズレなし! ソード・ワールド2.0リプレイ 竜伯爵は没落しました! [ 秋田 みやび ] |
ゲームの雰囲気がよく伝わる「リプレイ」
そんな『ソード・ワールド2.0』の世界は、武器や防具、恐ろしいモンスターのデータが決まっているだけではありません。
そこに暮らす人々の生活に根差した細部までもが緻密に作りこまれています。
荷駄の相場や地方ごとの特産品、街近辺の生態系など、驚くほど詳細です。
(だからルールブックが3冊もある(笑) がんばれGM!)
逆に言えば、シナリオ世界に没頭するには最適な環境といえます。
酒場でエールを一杯飲んだらいくらなのか、隣街まで馬車に乗ればいくらかかるのか、だいたいの相場は決まっているということなのですから。
言い換えれば、”ちゃんと常識が設定されている”という感じ、かな。
また、『ソード・ワールド2.0』のプレイ模様を実況形式でお届けする「リプレイ」シリーズが多数出版されているのも魅力。
”キャンペーン”(小さなシナリオを繰り返して物語を構築していく手法)形式で進行するため、分冊されているものが多く、キャラクターも物語の中で成長していくので思い入れも抱きやすく、ストーリーも壮大です。
そちらのレビューは、また回を改めることにしますね。
『ソード・ワールド2.0』:9点(10点満点)
★★★★★★★★★☆
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