【ソード・ワールド2.0リプレイ】強欲商人は冒険者に頼りがち(3)
”ファンブル”という名の魔物
『ソード・ワールド2.0リプレイ』の第三回でございます。
前回までのあらすじはこちらをどうぞ。
それでは、いよいよキャラメイクのお時間です。
まずは、戦士系ご希望の謙太から。
前線で戦うことを想定し、種族は体力に富むドワーフを選択。
「もちろん戦士生まれで!」
はいはい、了解。
ドワーフの戦士は、技:4、体:11、心:5という極端なキャラクター。
そのぶん、初心者には扱いやすく人気があります。
だって、前に前に出ていけばいいんだから。(笑)
その後、それぞれダイスを振って決まった数値は以下の通り。
器用度:17
敏捷度:8
筋力:23
生命力:16
知力:9
精神力:19
……うん、ドワーフっぽい。
思ってたほどアホにならんかったし、筋力バカだし、言うことなし。(笑)
謙太も満足そうにうんうん頷いてる。
そして、技能の決定。
冒険者(プレイヤー)は、それぞれ”技能”を持つことになります。
この技能レベルが高いほど、その技能に習熟していることを表します。
「ドワーフ」の「戦士生まれ」は、初期技能として「戦士」を1レベル持っています。
ということで、謙太のドワーフ君は「戦士」レベルを1とし、3000点ある経験点から1000点差し引かれ、残りが2000点となりました。
(注)初期技能は”無料”でもらえるというローカルルールもありますが、ここでは一般的な慣習に準じます。
残る2000点で他の技能(セージなど)を取得することも可能ですが、謙太はあくまで戦いたいということで、「戦士」レベルをもうひとつ上げ、2にします。
経験点をさらに1000点消費し、残りが1000点になりました。
まだ他の技能を取得することも可能ですが、さらに「戦士」レベルを上げたいので(1500点必要)、ここはグッと我慢。
のこり1000点を温存しておきます。
こんな感じでキャラクターを作っていくんですね。
あ、そうそう!
名前も付けましょうね。
「何がいいかなあ……思いつかないから『ケンタ』でいいや」
「ひねりがないなあ」
「じゃ、『ケン』で」
「一回ひねって戻ってきてるよ、それ」
などとつまらぬ話をしているうち、いけちゃんに「私も作りたい!」とせがまれ始めた。
じゃ、お買い物はあとでみんなでまとめて、と。
よし、ではいけちゃんの番。
確か、盗んで戦う”ルパン”希望だっけ。
ということは、やっぱグラスランナーかな?
「それ何?」
「んーと、ロードオブ○リングのイライジャ・ウッドがやってたようなやつ」
「あ、じゃあそれ」
即決かい。
戦闘面も考慮して、ここは「盗っ人」ではなく「軽戦士」でいきます。
グラスランナーの軽戦士は、技:13、体:1、心:11.
致命的なダメージは与えられないが、手数を稼いで削っていくイメージの戦い方が似合う。
そして、いざ能力値を決める段階で、
「緊張する~」
と言いながら、振った2個のダイスは……「1」「1」。
合計が「2」。
いわゆるピンゾロ。
「ええ~~!?」
驚く冒険者ご一行様。
「まじか、いけちゃん!」
「確率は1/6と1/6だから……1/36」
「え! 3%以下なの!?」
やたら暗算の早い高学歴のマキ。(笑)
ちなみに、TRPGでは一般的に”最も出にくい数字”で失敗することを【ファンブル】といい、「絶対的な失敗」を指します。
行為判定などの際にファンブルすると、通常の失敗よりも大きな失敗が待っています。
(例:足音を立てずに歩く行為判定でファンブルすると、足音を立てるだけでなく石に躓いて転んで大きな声をあげてしまうとか)
この『ソード・ワールド2.0』では主に「1」「1」のピンゾロがそれにあたります。
「あちゃ~……やってもうた」
脱力するいけちゃん。
人生初のTRPGで最初に振った2D6がピンゾロとは…
ある意味、持ってるな。(笑)
「はいはい、じゃあ今回だけオマケでもう一回振っていいよ」
心優しきGMの筆者は、項垂れるいけちゃんに温情裁定を下したのでした。
途端に笑顔になり、喜びの舞(らしきもの)を披露してくださるアラサー女子。
そして念を込め……2D6をコロコロ。
出た目は、「1」「2」。
合計「3」。
「変わらへんがな!」
みんなで口々にツッコんでしまった。(笑)
結果、ご覧の通り。
器用度:15
敏捷度:21
筋力:4
生命力:15
知力:15
精神力:22
経験点は、「フェンサー」を2レベル(1500点)、「スカウト」と「レンジャー」をそれぞれ1レベル(各500点)取得。
名前は「イケア」に決まりました。(安直)
圧倒的に不器用なグラスランナーの出来上がりです。(笑)
苦労しそうだけど、遊びがいのあるキャラクターですね。
さあ、残る二人は魔術師系のともちゃんと、回復系のマキです。
……なんか嫌な予感が。(笑)
……(4)へ続く。
ろけんろー! Rock’n Role(1) [ ユウリ・クロサキ・ベーテ ] |